私には貴方だけ


「こっちの列がいいと思います」






「おっけーありがと姫奈ちゃん」






お兄様のところへ戻ろうとしたら、突然肩に重みを感じた。






「姫奈」





「怜夜様……?」





どうやら怜夜様が私の肩に顎を乗せていたらしい。




背後から抱き締められる感じになって、距離がとても近くドキドキする。





「俺のも選んでくれ」





「い、いいですよ」





緊張し過ぎて噛んでしまった。