私には貴方だけ


焦っていると




「姫奈、避難しておいで」




「あ、はい」




お兄様が手を広げておいでと言って下さった。




お兄様の腕の中に飛び込むと、お兄様の匂いが鼻を掠めて何処か安心した。





「あ、おい真白!」




「さりげなくやりやがって……」





「なぁに怜夜。アランも口悪いなぁ」






「姫奈、俺のところ来い。」





「お嬢様、こんな奴の所行かなくて良いです。無視して下さい。」





同時に口を開いた怜夜様とアラン。




仲が良いのか悪いのか……