私には貴方だけ


「あ"ぁ?知らなきゃ困ることだろ」




「お嬢様にそういった類の事を一切教えるな。何も知らないままでいいんだ。」





「甘やかしすぎだろ。」





「それがアメリア家で決めた事だ。お嬢様は純粋なままでいい。」





「おいおいおい。無知過ぎて困るのは姫奈ちゃんでしょ?」





「必要な時に必要なだけ教える。まだその時ではない。」





「それじゃあ姫奈が可哀想だ。」




怜夜様達が何かを喋っているけど、アランが耳を塞いでいるから聞こえない。





でも、穏やかな空気でないのだけはわかる。




やっと耳を放してくれたアラン。




「お嬢様、お風呂に入ってきてください。」





「わかったわ。」




そういうことなので、私は食堂を出てお風呂を入りに行く。