お前は俺だけ見とけ

さてと、私も本屋に行くとしよう

パンフレットに乗っている地図を確認し本屋の方へ足を進める

「ここか」

本屋の前につくと手に持っていたパンフをバックにしまい

本屋に入った

中に入ると、さっきいたショッピングモールとは思えないほどの静けさ

落ち着くな

目当ての本のところに行き

本を手に取ろうと手を伸ばす

けど

「届かない」

あと数センチなのにどんだけ頑張っても届かない

諦めるか

心の中でそうつぶやいた時

私の後ろから手が伸び私が届かなかった本をとった

振り返ると

「ほら、これが取りたかったんだろ?」

冷たい目で私を見下ろしている黒髪の背の高い目つきの悪い男が立っていた

「どうもありがとうございます」

本を受け取り、すぐさまその場から立ち去ろうとすると

パシッ

「待て」

一回り大きい手が私の右手を掴んだ