そのまま、本屋を出で歩き続ける

振り払いたくても、力が強すぎて振りほどけない

力強すぎ

「あの、ちょっと待ってください」

ピタッと足が止まり振り返った

ギロリと睨まれ

「何だ?」

それを言いたいのは私なんですけど・・

「どこに行くんですか?逃げないんで手を放してください。痛いです」

ジイ―っと私の顔を見たかと思うと

フッと手首を絞めつけていた力が緩くなり

フイッと前に向いてしまった

「悪い」

「いえ」

「だか、手を放すことはできん」

「え?ちょっ」

やっと止まったかと思うと再び歩き出した

諦めよう

そう思った私はひたすら彼の後をついって行った