そんなことを考えていると、あたしを呼ぶ声が聞こえた。
「ゆーっず!!」
深山 蘭(ふかやま らん)。
転校してきてからの唯一の友だち。
見た目は清楚な美人なのに、中身は元気で明るく、美味しいものには目がない食いしんぼうな女の子。
でもたった2週間という短い時間でも、優しくて面白い子だと分かった。
転校して不安だったあたしにとって蘭はとても頼りになる存在だった。
蘭が友だちになってくれて良かった。
「なぁに〜蘭」
「早く!早く食堂行こ!空いてる席なくなっちゃう!!あとわたしのお腹がもう限界だ...」
財布を片手に今でも走り出しそうな蘭に「ごめんね〜」と笑ながら、あたしも財布を持って蘭のところへ急ぐ。

