「あのさ、黙ってくんね?」 ピタリと止まり、聡くんの背中にぶつかりそうになった。 悪口を言っていた人たちがあたしたちに目を向ける。 「勝手なこと、言ってんな。こいつはお前らなんか比べもんにならないくらい、いいやつだ。まだ、そんなくだらねぇことが言い足りねぇなら俺に言え」 聡くん...。 「こいつになんかしたら、ぜってぇあんたらを俺は許さない」 凍りつくような声。 さっきの人たちは顔を見合わせて真っ青になりながら足早に帰って行った。 「あの......、聡く...」