小さい声が出た。 聡くんが靴を履きながら振り返る。 「あ、柚子...。今から帰んだろ。気をつけてな」 「う、うん。ありがと...。また明日」 「おう」 どんどん離れて行く。 振り返らない。 離れたくない...一緒にいたい。 そう思った瞬間、体が動いていた。