「...雨宮。顔、見して」 小さく首を振る。 「雨宮...。なぁ、柚子」 名前を呼ぶとぴくっと体が反応した。 「ずるい...。小鳥遊くんはずるい」 雨宮の両手を握って顔から離した。 目を赤くして、頬を濡らして...。 何も考えられなかった。