「あ、柚子ちゃんと深山ちゃんだ」



廊下に目をやると二人が笑って歩いているのが見えた。



...笑顔が、違う?



違和感がない。ぎこちない笑みじゃない。...偽物じゃ、ない。



どくんと鳴る心臓。



それに気付かないふりして席を立つ。



「聡、どこ行くん?」



「雨宮んとこ」



昨日のことも知りてぇし、それにあの笑顔が気になる。