蘭の足がゆっくりになっていく。 「......蘭」 名前を呼ぶ。 立ち止まり、振り返った蘭の目が赤くなっていた。 途端に胸が締め付けられるように苦しくなる。 「...............うん。...わかった」 下を向きながら頷いてくれた。 そして話せる場所へ移動する間、あたしたちは何も話さなかった。