俺...雨宮がわかんねぇよ。



下手クソな笑顔で笑ったかと思えば、優しい笑顔で笑う。



顔が赤くなったかと思えば、その顔に影が差す。



強いと思ったら......今にも消えてしまいそうなほど、弱くなる。



なのに。あいつは絶対に。





涙を見せなかった。








空き教室に忘れたケータイが鳴るまで、俺はずっと、その場から動けないでいた。