忘れたことなんて、一度も...なかった。 「.........正直言って、俺は雨宮に対する感情がなんだか知らない。‘‘好き’’とか、‘‘愛してる’’とか...よくわかんねぇ。だから今の自分が恐い。......女の哀しみに歪んだ顔を見て、たのしいって思ってる自分にも」 片手で顔を隠す。 「聡............」 呟くように俺の名前を呼ぶ時雨。 「なぁ、時雨...」 「なんだ?」 「ーーーー‘‘好き’’って感情がわかんねぇよ...」