「きつくないですか?」

「は、はい・・・」



梨乃は、武道場に行きそこにいた医師たちの指示を聞きながらできる手当を施していく。
初めはプリンセスにそんなことはと断られていたが、梨乃の熱意に圧され医師たちが指示を出していく。



「プリンセスに手当てしてもらうなんて・・・恐れ多いです・・・」

「どうしてですか?私は皆さんのおかげで元気ですから。それに、今はプリンセスとしてではなく、ただの梨乃としてここにいるんです」

「プリンセス・・・。ありがとうございます」

「いえ。早く治りますように」




そう言いながら包帯に触れ祈るようにそっと目を閉じる。
そんな梨乃を見つめ、手当てをされた騎士は驚いたように目を開く。




「お大事に」



そう言って梨乃は次の騎士の元へ向かう。



「あのプリンセスのためなら、命をかけて戦ってもいいと思えるな・・・」



残された騎士は、そう呟いてフッと笑った。