人の気も知らないで、余裕ぶらないでよ。
「だって、止まらないんだもん」
そういって、涙をぬぐう。
「じゃあ、こうすれば止まる?」
遥はそう言うと私と向き合って、顔を近づけた。
「大好きだ、馬鹿」
そう言って私は目を閉じた。
「知ってる」
目を閉じる前に見た遥の顔はほんのり赤みが差しているように見えた。
唇に柔らかいものが触れる。
二人の距離が0cmになったところで周りでは丁度、フィナーレの花火が上がった音がした。
目をゆっくりあけると唇が離れた。
私たちは確かめあうように頬笑みあうともう一度、唇を重ねた。
___________fin


