「それは、何に対しての?」

「・・・今日までの事全て。そして今日からの事全て。俺に、ついてきてくれてありがとう」

 遥は私の顔を見つめながら微笑んだ。

 不意に、いろんな事が頭をよぎった。

 すべて、なんて言い方ずるい。

 はっきりさせないでいて、それでいて思い出させるなんて。

 いろんな事が、あった。

 病院で喧嘩もした、いっぱい泣いた、笑った、悩んだ、話しあった。

 不意に、頬を冷たい何かが伝う。

 それは、止まることを知らなくて、止める方法も知らない。

 今まで、沢山泣いたのに、まだ流れる。