『Starlightの1年がここに!』
3人がデビューしてからもうすぐ1年が経とうとしていた。
大きな文字が踊る看板を見て、3人は息を飲む。
「1年をまとめたアルバム…」
「今までのヒットした曲全部いれるんでしょ?ほら、初めての曲の『Starlight』とかもさ。」
「…………」
晴樹と美那の言葉に、沙羅も自分達の事務所を見上げた。
事務所の看板はその時1番話題になったグループが載ることになっている。
「Starlightもここまで来たかぁ!これからも頑張ろーね!」
美那が笑って言ったが、沙羅は頷くだけでにこりともしなかった。
晴樹がため息をついて言った。
「…まぁ決まったからには頑張ろ!3人協力してさ。
もう1年になるんだから、パーティーでもやろうよ。」
デビューしてから1年も経つなんて信じられなかった。
初めからギクシャクしていた紗羅と美那の関係は、2人と周りのごく少数だけの秘密だった。
マネージャーの瑞希でさえ知らないはずだ。
「そーだね!」
「次の仕事って何だっけ?」
紗羅は美那が同意したのには構わず、晴樹だけを見て言った。
「…1時間だけ自由時間だよ。その後事務所でアルバムの打ち合わせがある。」
晴樹は看板を指差して言った。
「これの打ち合わせ。」
「その頃には戻るね。」
「また記者さんのところ?」
美那の問いに頷いて見せると、沙羅は歩き出した。
「沙羅!」
晴樹が呼び止めると沙羅は立ち止まってゆっくりと振り向いた。
「何?」
「瑞希さんが呼んでたよ。記者さんのところ行く前に顔出しといたら?」
「瑞希さんが?」
晴樹は頷いた。

