キーンコーンカーンコーン
一時限目始まりのチャイムがなった。
「やばっ 早く行かないと!」
陽花里がそう言って走っていく。
「ちょっと待ってよ、ひかり〜。」
そう言って私は陽花里に追いつく
急いで整列する。
整列したとき私と陽花里は隣どうし
だから授業中ずっと喋っていることも
たまにある。
「ねぇ 李杏?」
「なに?」
「今日、何組と一緒か知ってる?」
「え? 2組だけど
 それがどうかしたの?」
「えっ まさか李杏知らないの?」
「知らないって何が?」
「2組にいる・・・」
陽花里がそう言いかけたとき
「キャーーーーー 涼也様〜!!!」
と、周りから女子の黄色い声が上がった。
「ひっ。」 
「おっ 噂をすれば。
 びっくりしてる場合じゃないよ李杏、
 早く行かなきゃ。」
と、陽花里に腕をひかれる。
「えっ? どこに?」
「そんなの決まってるでしょ
 涼也様を見に行くの。」
そう言うと、陽花里は声の上がった方に
走っていく。
「え、でも整列
 しなきゃいけないじゃん。」
「いいの、いいのそんなの後で
 大丈夫だから。」
「いやいや
 絶対大丈夫じゃないでしょ!」
「キニシナ〜イ キニシナ〜イ。」
「ちょっとぐらいはきにしてよ。」
そんな会話をしているうちに着いたようで
陽花里は止まった。
「よし ここなら見えるっ!」
「何が?」
「だから涼也様よ 涼也様。」
陽花里はそう言うがその涼也様というのが
誰だか全くわからない。
ましてや1年にそんな奴いたかとまで思う。
とりあえず陽花里に聞いてみる。
「ねぇ 涼也様って誰?」
「えっ!!!」
「だから 
 涼也様って誰って聞いてるの。」
「うん、質問は聞こえてるけど
 ほんとに知らないの?!」
「うん」