「ねぇねぇ?」
そう言って近づいてくるのは
私の親友の陽花里だ。
周りから変わってるって言われる私を
唯一慕ってくれる大事な親友。
「なに?」
「李杏は好きな人とかいるの?」
またこれだ。
陽花里はいつもこの質問をする。
「はぁ いつも言ってるでしょ
 そんな人いないって。」
「え〜 どうして〜。」
「どうしてって、そんなの
 1つしかないでしょ。」

「恋愛なんて人生で
 一番無駄なものだから!」

ほら こうやっていつも
私と揃えて言う。
「わかってるんだったら聞かないで。」
「そうだけどさぁ・・・。」
キーンコーンカーンコーン
陽花里がそう言いかけたところで
一時限目5分前のチャイムがなる。
「ほら 一時限目体育だから
 更衣室行こう?。」
「え〜 またそうやってはぐらかす〜。」
「はいはい
 この話はまた明日にしよう。」
「じゃあ明日になったら好きな人
 できるの〜。」
「できる。」
「ほんとに?」
「はいはい できます、できます。」
「ほんとだよね!」
「わ〜か〜り〜ま〜し〜た〜。」
「じゃあ終わりね!」
はぁ やっと終わった。
毎日これの繰り返しで私の時間がなくなる
まぁ 親友だから許せるんだけど。