「それにしても、お前がナオトの話できるなんてさ、よほどシュンキとうまく行ってたってことだな。俺にすらナオトの話避けてたじゃん。」

「そうだね。」

別に避けようと思って避けてたわけじゃないけど。

あまりにもカイトとナオトは近かったから、思い出しちゃうのよね。

ものすごく近くに。

「シュンキも間違いない奴だし。お前こそシュンキ大事にしよろな。俺の大事な親友だ。」

「わかってるわよ。」

しばらく沈黙があった。

なんとなく、カイトにかける言葉が見つからなかったっていうか。

きっとカイトも私に対してそうだったんじゃないかと思う。

「ま、お互いいい出会いが合ったって訳で。よかったじゃん。な、俺達もそろそろ幸せにならなくちゃな。」

「そうだね。」

「ドラマばっかにうつつ抜かすなよ。もっと現実にいる男を見ろ。」

「うるさいわ。ドラマ好きなのがそんなにいけない?ちゃんといい出会いもあったんだからそこはほっといて。」

「そうだけどさ。」

そして、またしばらくの沈黙。

変なカイト。

「明日はお前またドラマ見て過ごすの?」

「悪い?」

「悪かぁないけど。俺も暇だから、またお邪魔していいかなと思ってさ。」

さっきまでそろそろ幸せにならなくちゃって言ってたくせに。

「でもさ、カイトはハルカと真面目にお付き合いしようと思ってんだったら、そういうこともそろそろ辞めた方がいいよ。」

別に来ても私は問題ないけどね。

ただ、ハルカの気持ち考えると、やっぱり。

「そっか。そうだな。わかった。」

やけに素直じゃん。

敢えて言わなかったけれど。

「じゃ、明日はゆっくり過ごすわ。また会社でな。」

「うん。」

「おやすみ。」

「おう。」

そして、電話は切れた。