「そうなんだ。」

思わずポツリと同意してしまった。

でも、カイトとデートすることで、目線が広がったってこと?

いいことか悪いことかはわからないけど、ずっと色んな男性をシャットアウトしてきたハルカにとってはそれもありなのかもって感じた。

「松永さんの話、聞いてみてもいいんじゃない?カイトとまだ付き合ってるって感じじゃないなら。」

「うん、そうしてみる。」

松永さんから言い寄られてるハルカの顔つきは、以前とは全く異なっていた。

少し前までは、あれだけ立花さん!って騒いで、松永さんには目もくれなかったのに。

女心は秋の空とはよく言ったもんだわ。

まぁ、私も女だけど、そこまでくるくると気持ちが変わるなんてことこれまであったかなぁ?

忘れてるだけだったりして。

「ミナミ先輩んとこは順調そうだね。もうキスまでしちゃってさ。」

ハルカは両手で口を塞いで、うふふと笑った。

「なんかいやらしい顔してるし。」

生中を飲みながら、ハルカを軽くにらんだ。

「最近、ミナミ先輩きれいになった気がするんだけど、ひょっとしてキス以上ももうしちゃったとか?」

ハルカはそう言ってにんまり笑った。

「そんなこと言えないよー。」

っていいながら顔が熱くなる。

「うわ、図星?ミナミ先輩結構大胆なんだからー。35歳超えるとそういうのもお茶の子さいさいな感じ?」

「あんたももうすぐ35歳になるじゃない。うるさいっての。何でも自然な流れってもんがあるのよ。」

「へー、シュンキさんとキスして、セックスまでの流れが自然だったんだぁ。どんなだったかもっと詳しく教えてよー。」

「しー!声が大きいって。ハルカ飲み過ぎたんじゃない?」

慌てて、ハルカの口を塞いだ。

もう!居酒屋とはいえ、隣のテーブルには声は響くんだって。