鋼鉄の翼―ゾフィエル

モンストルが、私を撒かんと飛び出す。

細く長々尾を引く白は、ヤツの速度を物語る。

歯噛みの時間も与えられず、ヤツの影が小さくなる。

く、逃がしてなるものか。

ヤツを逃がすことはそのまま、ピュラクスへの攻撃を許してしまう。

しかし……ガトリング砲が重い。

あのモンストルへ追い付くには、手はあるが……

そのためには銃器が邪魔だ。

躊躇など――していられない。

「ヴァルヌス機、ガトリング砲を破棄する!!」

『なにっ!? おい待て!!』

「ガトリング二門、破棄!!」

上司の声を無視し、軽量化を図る。

脊髄と声で、鎧に指令を下す。

「〝ゾフィエル〟、超音速形態へ移行!」

ィィィィィンンンン――

『ばっ、お前そりゃっ!!』

「突貫!!」





――――――












音が――





バンッッッ!!








飛んだ――