「……澪」




俺は、本人に聞こえないようにボソッと呟く。




澪は、俺には気づかず、俺と反対の廊下を歩いていった。





「……くそ」





澪が嫌いで別れたんじゃない。
ただ、ただ……俺に自信がなかっただけで。




澪は、素直になれない子だから、好きを表現してくることもない。