廊下を歩いて、教室の近くに行くと、俺の名前を呼ぶ声が聞こえた。 「羽琉……いっ、いますか?」 「東雲くん、まだ来てないなー。さっき体育だったんだよ」 「そ、うですか……」 俺は、その声に反応して咄嗟に教室の扉の方を見る。 久しぶりに見た気がする。 俺が初めて本気で好きになった人。