「よし、大丈夫。……霧島くーん!」 忘れ物がないのを確認し終え、私は霧島くんの部屋に声を掛けた。 今日、私は霧島くんと一緒に登校することになっている。 本当は別々に行った方が私は目立たないし、彼も私と一緒に登校するのは嫌だと思う。 でも、別々に登校しようか、と私が提案したら、一緒の方がいいと言われた。 ちなみに、理由を聞いたところ。 「それはまた、何で?」 「……一人でいると、歩いているだけで女子に絡まれるんですよ」 「……贅沢な悩みね」 だそうです。