「……俺、実はハンバーグが好物なんです」


うん知ってる。

ろくに彼の情報をくれなかったアホ親父が唯一教えてくれたことだし。


「結構、いろんな店のハンバーグを食べてきて、それなりに舌も肥えてる、と思ってたんですけど……」


ぽつり、ぽつりとだけど、でも確かに、はっきりと言葉が続く。



「……このハンバーグより旨いのは、今まで食べたことなかったです」


そう言うと霧島くんは、しっかりと私に向き直って。