「ごめん、ちょっと待ってて。手にも汁が付いてるから、いったん洗わないと意味ないし……」 「ああ、それなら……」 そう言うと霧島くんは私の方に身を乗り出してきて……。 え、ちょっと待って、いったい何をする気……!? 「俺が拭きますよ」 直後、視界が白い紙で塞がれた。 ちょっと乱暴で、でも慎重に、霧島くんの手が私の涙を拭いていく。 「わ、わわ、ちょ、ちょっと」 「動かないで下さい」