「今からご飯作るけど、食べられないものとか、ある?」 「特には……あ、そばは苦手なので、やめて欲しいです」 「ああ大丈夫。そばじゃないから」 そもそも、私もそばは食べられない。 そばアレルギーの私がそばを食べられるとしたら、末期の時か天国でかのどちらかだろう。 「リビング出て右手にある、手前の方のドアが霧島くんに使ってもらう部屋だから、それまで荷物とかを移しといてもらえる?」 「分かりました」 その返事を聞き遂げてから、私は台所に立った。