「大体、なぜ金だけの単色なのかしら。もっと色のグラデーションなどにも気を配るべきでしょう。しかも、一見格調高いこのドアノッカーだって、金メッキで中身はただの木材だし。どうせなら純金で作ればいいものを」
「その話は後にしてくれませんか……」
段々とお嬢様の愚痴がヒートアップしてきた。
やっぱりこの悪趣味に満ち溢れた扉は、お嬢様のお気には召さないらしい。
それは分かるけど、ここではやめて……。
ほら、廊下にいた一般生徒がこっち見てるから!
やめて! そんな変質者を見るような目でこっちを見ないで!
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