「霧島くんに校舎案内をしたい、ってこと?」 「流石に理解が早くて助かりますわ。桜さん」 ひっ、背筋がぞわってした! 会長に名前呼びをされると、生命の危機に晒されているような、そんな気がする……。 「名前を呼ばないでくれる?」 「あらごめんなさい、つい癖で。……それで、校舎案内をするにあたって、あなたにも来てもらいたいのよ」 「……なんで私が?」 こう言っちゃなんだけど、私は霧島くんとの関わりは薄い。 別に、校舎案内にまでついていく程、過保護になる必要もないんじゃないかなあ?