お嬢様は先程よりも笑みを強くし、私だけを見てそう言った。 ……霧島くんに何かあったのかな。 少し心配になった。 ……はっ、そう言えば、忘れ物は無いか確認してない! もしかして、何か入学に必要な書類を忘れてしまったのでは……!? もしそうなら大変だ。 えらいこっちゃだ。 私は美月に向き直って、両手を顔の前でパンと打ち合わせた。