『お年頃の男子が思い描くような理想のお嬢様』を体現したかのような女子が、そこに立っていた。 「ごめんなさい、少し時間をもらえないかしら。雨宮さんに用があるのだけれど」 彼女は美月にそう問いかける。 気のせいかもしれないけど、どことなく余裕的なナニカを感じる……。 美月はニッコリと笑い返して、 「それ、今じゃないとダメなこと? 今、桜は私と話してるんだけどなぁ?」