ぐでー、と自分の机にうつ伏していると、ぽんぽんと背中を叩かれた。 こういう時にちょっかいを掛けてくるやつは決まってる。あいつだ。 「何よ美月……今私はどうにもならない現実から逃げてる最中なんだから、邪魔しないでよ……」 「逃避からは何も生まれないよ! ほら、起きた起きた!」 ぐいっ、と肩を持ち上げられた。 仕方なく顔も上げると、どことなくつやつやした顔つきの美月がニヤニヤ笑っているのが見えた。