「……なんですか? 人の顔ジロジロ見て」 「あ、あぁ。ごめんなさい、つい。それで、何でしょう?」 思わずドキッとして見つめていると、睨まれてしまった。 うわ、やっちゃった。 そうだよね、見ず知らずの人をじろじろ眺めるのは失礼だもんね。 悪いことをした。 青年はまだ不機嫌そうな目で私を見ていたけれど、小さくため息をつくとまた口を開いた。