「あら、いいのよ。だってわたくしが何をしようとわたくしの自由ですもの。ねぇ? わたくしと貴方は自由奔放(じゆうほんぽう)なところが良く似ているわ。いいこと? 何があってもわたくしは貴方の味方ですよ? それを覚えていてちょうだい」


 祖母上は俺の手を取り、(なだ)めるような手つきで軽く甲を叩いた。




「…………」


 俺の問題に七瀬さんを巻き込んでしまった。

 いったい、どうすればいいだろう。



 俺は目を閉ざし、彼女に真相を告げるべきかどうかを考える。

 そんな俺の瞼の裏には、今朝方に見せた彼女の微笑む顔が焼き付いて離れなかった。