聡ちゃんの本名は、枇々木 亜聡(ひびき あさと)。 月之ヶ丘学園の3年生。 がっしりした体格の彼はラグビーが得意で、情に脆(もろ)い性格なの。 彼はわたしの家のお隣さん。 昔からよく面倒を見てくれていて、本当のお兄さんみたいな人。 「なんでこういうことになったんだ? 少しでも相談に乗ってくれたら俺がどうにか……」 「ほぅ? どうにかできるのか?」 神流ちゃんが聡ちゃんに突っ込んだ。 「っぐ」 「だろう? 相手が硬派な王子様なんだ。あたしら凡人にはどうにもできないよ」