みんなにロップちゃんの存在を知られちゃうじゃないっ!!



「碧さんっ!!」


 慌てたわたしはロップちゃんの声を掻(か)き消すよう、大声を出した。

 しかも、志月先輩の名字じゃなくて名前を呼んで。


 恥ずかしいけれど、でも今はそれどころじゃない。

 ロップちゃんの一大事だ。



「えっ? あれ、七瀬さん?」


 わたしに気づいてくれた志月先輩は、わたしからの聞き慣れない名前呼びに気がついた。


 目を瞬(しばたた)かせ、驚(おどろ)いている。