あれから大変だった。




暴力を振るわれた日はなんとか一日を終え、家に帰ってすぐに自分の部屋へと駆け込んだ。




親にバレないように傷を隠し、汚れた制服は見つからないようお風呂に入る時に持ち込んで密かに洗っていた。




食欲がない毎日で、「ダイエット」と言い張ってごはんを食べない時もあった。




動かすたびに痛い腕や足。




そして込みあがる苛立ち。




あたしは特に用がない時は、ひとり部屋に閉じこもるようになってしまった。




親には不審に思われないように、毎日毎日笑ってごまかした。




「あたしって演技うまいんだ」




なんてのんきなことを考えたりもした。




変な感じだ。




「許せない」




ただその気持ちがあたしを動かす。




今までの迷いは吹っ飛んでいった。




悲しかった感情も、寂しかった感情も、辛かった感情も、全部どこかへ行ってしまった。




今あたしの中にある感情は、「苛立ち」だけ。