「あー楽しかった~♪」
「これいいストレス発散だわ」
しばらく続いた暴力がやっと終わり、志保たちはあたしはの前から去っていった。
あたしは倒れ込んだまま動けなかった。
……全身が痛い。
力が入らない。
……でも、立たなきゃ。
もうすぐチャイムが鳴る。
先生が来ちゃう。
先生に見つかったら面倒なことになる。
本当は、先生に「助けて」と訴えたい。
だけどそんなことしても無駄。
先生はずっと教室にはいない。
もし助けを求めて先生が志保たちに直接注意したとしても、先生のいないところでまたいじめは起きる。
しかも今よりもっとひどくなるのは確実。
あんな感情の無い人たちが、先生の一言でいじめをやめるなんて思えない。
あたしには、助けを求められる存在はいない。