それでもあたしはいつも通り志保に話しかけに行く。





「志保、一緒にお弁当食べよ!」





志保は……なにも言わない。




あたしの方を、見てもくれない。




「志保ー、屋上で食べよー」




「うん、今行くー!」




グループの人に呼ばれて、志保はすぐに反応してそっちへ行こうとする。




「志保!!」



あたしは志保の腕をつかんで引き止めた。




「……どうして無視するの。」




 お願い、「冗談だよ」って言って笑って。




「放して。」




「志保、お願いもうやめて。さすがに……やりすぎ、このイタズラ。」




「……」




「答えてよ志保……」




「……」




「……もう、直球に聞く。……避けてないよね?あたしのこと。だって、あんなに仲良かったもん。あたし、志保のこと信じてるからさ、こんなの絶対本気なわけないって思ってる。絶対絶対……こんなの、ただのイタズラだって……思ってるんだから。……そうでしょ?志保……。」




声が震える。




 どうして声なんて震えちゃってんのあたし。




 志保が裏切るわけないじゃん!




 志保は絶対裏切らないよ。




 疑ってしまってるあたしがどうかしてるんだきっと。




 志保は裏切らないよ……絶対。









「勝手に信用とかしないで。あたし、もうあんたとは一緒にいたくないの。イタズラでも冗談でもない。そろそろ理解しなよ。」