「…解った」

壊れるものを扱うかのように、そっと私の背中に両手を回し、海斗くんが優しく私を抱きしめた。

(…温かい)

夢とは全然、違う。

海斗くんの体温、広い胸に逞しい腕。

そして海斗くんの匂い…

ドキドキが止まらない。

「…スゲーな。莉奈さんの心臓の音」

「…うん」

「…俺も莉奈さんの事、言えないけど」

と言って優しく私の髪に触れる。