「莉奈さん?」 考え事をしていたら、海斗くんに声をかけられた。 顔を上げると黙ってしまった私の顔を、覗き込む海斗くんの姿。 一瞬、今朝の夢を思い出した。 「…あの海斗くん」 「ん?」 「…お願いがあるの」 「お願い?」 「私を…」 一呼吸おいて、海斗くんを真っ直ぐ見る。 そして、ゆっくり口を開いた。