「女って買い物好きだよな」

車を運転をしながら、海斗くんが呟いた。

「いいじゃない。楽しいんだから」

「付き合わされる人の身にもなってくれ」

と海斗くん。

綾子さんが笑いながら、私に耳打ちをした。

綾子さんが言うには、綾子さんのお母さんとお姉さんも買い物が大好きで、海斗くんは荷物持ちの役が多いからだと教えてくれた。

「…ぶっきらぼうで無愛想だけど、頼りがいはあるからね」

と綾子さんが、海斗くんに聞こえないぐらいの小さな声で呟いた。