「とりあえず海に電話して見るか」

綾子さんが携帯を耳元へ持っていく。

何かに気がついて、直ぐに電話を切る。

「綾子さん?」

「…海だ」

綾子さんが駐車場から歩いてくる、男の人を見つけた。

私もつられて、綾子さんの視線の先を見つめる。

男の人はゆっくり近づいて来て、綾子さんの目の前に立った。