「ほらよ。綾姉」

「懐かしい。塩せんアイス」

と言って綾子さんが、塩せんアイスを食べる。

「早く食べた方がいいですよ。
直ぐ溶けるから」

と私の分をテーブルに置く。

「ありがとうございます」

「どういたしまして」

ニコッと笑顔の海斗くん。

(その笑顔は反則だよ…)

私もどうにか笑顔で返して、塩せんアイスを食べた。

「美味しい?」

と綾子さん。

塩せんアイスを食べたまま、コクンと頷く。

そして綾子さんにも笑顔を向ける。

普通にしないといけない事が、こんなに苦痛だなんて初めてしった。