「…ん」 眼を覚ますと、海斗くんの腕の中だった。 (温かいなぁ) 窓から波の音が聞こえてくる。 その音に耳を傾けながら、ゆっくと身体を起こした。 「…痛」 ちょっと痛いけど、やっぱり夢じゃなかった。 寝ている海斗くんの顔に、そっと触れる。 長いまつげ、二重で高い鼻。 柔らかい唇。 (何でこんなに、かっこいいんだろ) 思わずため息が零れた。