「そうなんだ…」

チラッと海斗くんを見る。

サングラスをかけているから、表情は解らない。

黙っていた海斗くんが、ゆっくり口を開いた。

「…次の日。家まで来て親父に直訴したんだよな、社長さん。
東京には、もっといい男が居るだろうに…」

「海斗くんは東京、嫌いなんですか?」

「え?」

「あ…」

思わず口に出してしまった。