(きれい…)

思わず海斗くんを見つめていたら、

「ん?どうかした?」

と海斗くんが首を傾げる。

「うんん」

慌てて首を横に振り、眼をそらす。

そして誤魔化すように早歩き。

前を見ていなかったせいなのか、あまりに慌てていたせいなのか、何かにつまづいた。

「きゃー…」

「莉奈さん」

倒れそうになった所を、海斗くんの右手が私の腕を掴む。

腰に左腕で回されて、後ろから抱きしめられる形になった。