(あ、だからあんなに…) 今朝、綾子さんが海斗くんに一生懸命に頼んでいたのは、そういう理由だった見たい。 だとしたら社長に感謝しなきゃね。 海斗くんの温もりを感じられたから… 「莉奈」 「なぁに?」 「海のあの声。近くで聞いたの、家族以外では莉奈が初めてだから」 「え?」 「貴重な体験したわね。はい」 手に持っていたミネラルウォーターを、私に手渡した。