「どうしたの?綾子さん」

「…迎えを頼んでたんだけど、姉が来れなくなって、代わりに弟が来るんだって」

「弟さんが?」

「ん…大丈夫かな?莉奈、ごねんね」

「何が?」

「弟、愛想悪いのよ。気を悪くしないでね」

と言った。

「海に電話して見るか」

綾子さんが携帯を耳元へ…

でも直ぐに電話を切った。

「…海だ」

綾子さんが駐車場から歩いてくる、男の人を見つけた。

ゆっくり近づいて来て、綾子さんの目の前に立つ。